高齢者の便秘の原因と解消法
この頃、母は、便秘気味。完全に寝たきり状態ではないけれど、食事やトイレ以外は殆どベットで過ごしている。 外出して歩くだけでも便秘には効果的だと分かっていても、体力も落ち、身体が思うように動かせないとなかなか外出する気分にはなれないようだ。
高齢者の便秘の原因について
高齢者の便秘は、下記のことが原因だと考えられます。
高齢者は、便秘になりやすい。高齢者が便秘になる原因はさまざまなのですが、腸が緩んだ状態になり、腸の内容物の移動が遅れてしまい、水分が腸に吸収され過ぎて便が硬くなってしまう弛緩性便秘(しかんせいべんぴ)といわれるも多いと言われています。
加えて、
・運動不足で、筋力が衰えて腸の蠕動(ぜんどう)運動も弱まる ・食事の摂取量が減ることによる便の形成の減少 ・排便に必要な「いきみ」のための腹筋力の低下 ・頻尿を避けたいという理由による水分摂取量の低下 ・病気治療に用いられている薬の副作用による便秘の発症 ・自律神経の乱れ
便秘の解消法について
高齢者における穏やかな便秘対策には、
・穏やかな効き目の便秘薬を使用する ・食物繊維の摂取量を増やす ・水分をこまめに補給する
と言うことが、有効です。
便秘薬
効きすぎる便秘薬を使用すると、下痢になり、脱水症状を引き起こす恐れがあるで効き目が穏やかなものを選ぶことが大切です。
副作用がほとんどないとされる、酸化マグネシウム製剤がお勧めです。酸化マグネシウム製剤は、180cc以上の水で飲むと効果が良く実感できます。
食生活
食事による高齢者の便秘解消の基本は、イヌリン食物繊維などの水溶性食物繊維を多くとりいれた食習慣が、高齢者の便秘解消や便秘予防にとても役立ちます。
食物繊維について
食物繊維と一口にいっても、水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類あります。
水溶性食物繊維は、腸内で善玉菌の栄養源になることができます。その結果、善玉菌が増えて腸内環境を整えることができ、様々な病気の予防や便秘の改善に役に立つことができます。
また、胃の中で粘性のあるゲル状にかわることでゆっくりと移動し糖質の吸収を抑えてくれたりコレステロールを包み込む働きがあります。コレステロールを体外へ排出することで、血中のコレステロールの濃度を下げることができますので生活習慣病を予防することができます。
腸の中にある水分を吸収することで便が固くなるのを防いだり、腸内に存在する毒素や老廃物を吸収し腸内環境を正常化する作用もあります。
食物繊維は海藻類、豆類、野菜類、きのこ類、果物類などの植物性食品に多く、魚介類や肉類、卵類などの動物性食品にはあまり含まれていません。
水溶性食物繊維を多く含む食品は、
きのこ類、海藻類、果物、抹茶粉末、ピュアココア、納豆などがあります。納豆は不溶性食物繊維もたっぷり含んでいます。ネバネバした性質のあるオクラ、納豆、やまいも、特にきのこ類のなめこや海藻類のめかぶなどは、糖分が吸収されるのを抑える働きがあるといわれています。
水溶性食物繊維を多く含む食品は、ヌルヌル、ネバネバしているのが特徴です。
ワカメなどに含まれている、ラミナリン(アルギン酸など) こんにゃく、山芋、里芋に含まれているマンナン 果実類のリンゴやオレンジイチゴなどをジャムにする時固める成分であるペクチン等が代表的なものです。
イヌリン食物繊維が整腸に効果がある理由
栄養学的には水溶性食物繊維の一種で、多糖類の一群。炭水化物の一種、果糖の重合体、加水分解によってオリゴ糖を生ずる。オリゴ糖が大腸に生息するビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌の栄養源となって、善玉菌の増殖に貢献するからです。
不溶性食物繊維は、
野菜類(ごぼう、切干大根、ブロッコリー、たけのこ、トウモロコシ) 穀類(そば、ライ麦) 豆類( 大豆、小豆、えんどう豆) イモ類( さつまいも、里芋、山芋) きのこ類(えのき茸、きくらげ、しいたけ) 果実類に含まれているセルロース、ヘミセルロース、リグニン 玄米、表皮(ふすま)などに含まれているキシラン エビやカニの表皮
などに多く含まれています。
不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸収し大きく膨らみます。腸内で膨らむことにより、腸を刺激して蠕動運動を活発にし、便通を促進します。小食で便秘がちの方には、便のカサを増やし排出を促すため、便秘の解消にお勧めの食物繊維です。体にとって有毒な、ダイオキシンなどの物質を排泄するデトックス効果もあります。
ただし、不溶性食物繊維を摂取し過ぎると、逆に腸の蠕動運動が活発になりすぎ、それが原因で便秘(痙攣性便秘)になってしまうので注意が必要です。 「便秘解消には食物繊維」と言われることが多いですが、不溶性食物繊維を多く取ると、場合によっては便が硬くコロコロになることもあります。そのためには、不溶性食物繊維が豊富な食品を摂る時には必ずたっぷりの水分も一緒に摂ることです。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を1:3のバランスよく摂取することが便秘解消に大切なのだそうです。不溶性食物繊維をとり過ぎると、お通じが悪くなることがあるからです。
だけど、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の食品をバランス良く食べることを考えて実践するのは難しい。
水溶性と不溶性食物繊維の両方がバランス良く含まれている
納豆、ゴボウ、オクラ、キウイフルーツ、バナナ、アボカド、サニーレタスなどをどれか一つ毎食、食べることが便秘解消に役立ちます。
食物繊維は、便秘解消にかなり効果があると思った。